レッスンの進め方


 

 

あくまで大まかな流れです。バイオリンのレッスンを始める年齢も、その人の性格もまちまちですので、ケース・バイ・ケースで、その時の状況にあわせて、ほかの教材を使ったり、補充したりする場合もあります。

〇3~6歳くらいの
  就学前の幼児には、まず「レッスンがたのしい」と思ってもらうこと、次に楽器に慣れることを目標にします。内容は、あくまでもバイオリンの指導がメインですが、そのほかに簡単なソルフェージュ(リズムカードやピアノの音あて)をゲーム感覚で楽しみながらやります。
 (リズム感、音感は小さいお子さんのほうが身につくのも早いようです。これが、あとで読譜を教わるときに大いに役立ちますし、これがバイオリンの進度にも大きく影響します。) 


 教材・・・幼児用バイオリン教本「子供のためのバイオリン教室」+セビシックから一部+ソルフェージュ(リズム読み・音当てクイズ)
        レッスン時間30分
 

 

〇自分で楽譜を読んで弾く練習をしましょう        
 少しレッスンにもバイオリンにも慣れて、ちょっと理屈っぽい話も聞けるようになったら、 読譜の練習にはいります。
  自力で楽譜を読んで弾く力をつけることは、とても大切です。

 

★小学生上級以上の初心者はここからスタートします。

  (初めは楽器が重いと感じたり、指が思うように開かないと感じたりしますが、みなさん例外なくそうですから、心配しないで。すぐに慣れて楽になります。)
 普通、3~12ヶ月でこのレベルを終了。次へ進みます。
こどもの場合は、レッスンの終わり10分ほどをソルフェージュ(リズム読みや聴音)にあてます。


 教材・・・スケール+読譜教材+セビシックop.1-1(指と弓の訓練的な教本)+ソルフェージュ
         レッスン時間・45分

  

〇いろいろな弾き方をおぼえましょう
  ファーストポジションで、楽譜が少し読めるようになったところで、エチュード(練習曲)に入ります。最初はウォルファールトとカイザー。ここで基本的なリズムの弾き方や弓使い、装飾音、トリル、重音、そしてポジションチェンジとビブラートなど、つまり基本的な奏法をひととおり習うわけです。

このはじめの段階で、姿勢やボウイング、指を置く形、運指などを正しく身に付けることで、次の段階にスムーズに進めますので、注意深く指導します。

(悪い癖がつくと、先へ進めなくなって苦労するので。)

それと平行して曲(リーディング、ザイツ、ダンクラ、ヴィヴァルディなどの、学習者用コンチェルトや小品)と、音階教本、セビシックをやります。

こどものレッスンの終わり10分はソルフェージュ。

 

このあたりまで終了すれば、例えば、市民オケとか学生オケとかに入って弾くことができると思います。  

 教材・・・スケール+エチュード(ウォルファールト、カイザー、マザスなど)+曲+音階教本+セビシックop.1-1、op.1-2 その他 +ソルフェージュ
        
 レッスン時間・1時間
  
〇もっと正確なテクニックを身につけましょう

  クロイツェルに入ります。カイザーより難易度が高く、バイオリンを弾く人のバイブル的なエチュード。このあとの技巧的なエチュードをいくつかやった後でも、また戻ってもう一度きちんとやりたくなる、そんなエチュードです。曲はかなり長いものを弾くようになり、クロイツェルと曲で時間いっぱいになってしまうので、ソルフェージュはこのあたりからやらなくなります。 
  合奏の練習のために、私とデュエットの曲を練習することもあります。

 教材・・・クロイツェル+曲 (+セビシック、音階教本)
          レッスン時間・1時間


   ☆小学生のうちにこのあたりまで進んで、もし音楽の道に進む
      希望がある方は、音大関係の先生をご紹介します。
  

〇もっともっとうまくなりたいと思ったら
 ローデ、ドント、ガビニエ、フィオリロなどの上級者むけの技巧的なエチュードをやりながら、いろいろな名曲にトライ。
         レッスン時間・1時間

 

★ビオラのレッスン

 ビオラはバイオリンより一回り大きく、音質はバイオリンに比べると地味ですが、その深い低音の振動が直接ビンビン身体に伝わってくるのは結構快感です。

 

 レッスンの進め方はバイオリンとほぼ同じで、エチュードはビオラ用のものを使いますが、曲に関してはビオラに適した曲を選んでおり、バイオリンと同じではありません。

 

 ビオラは大きい楽器なので、腕の短い人、手の小さい人は小さめの楽器を選んでください。

 ビオラのサイズは、大きいものと小さいものではかなりの差があります。

 弾き方もひと工夫必要で、楽器の構え方、左手の指の角度や弓の使い方など、なるべく楽に弾くためと、響く音を出すために、バイオリンとは若干違ったやりかたをします。

 

 生徒さんが在籍している市民オーケストラのビオラパートの弾き方を、レッスンで教えることもあります。

 

バイオリンのような華やかさはないけれど、深く温かい音色のビオラが、私は大好きです。